インプラントをお考えの方、すでにしている方へ
インプラント周囲炎は放置するとインプラントが抜け落ちてしまう危険な病気です。
長期的に安定させるためにも、正しい知識を身につけましょう!
What is peri-implantitis?
インプラント周囲炎とは、インプラントを支える骨や歯肉周りの組織に炎症が生じる状態を指します。これはインプラントの周囲に細菌が繁殖することで引き起こされ、歯肉の腫れや出血、痛み、さらにはインプラントを支える骨が溶けるなどの症状が見られます。放置するとインプラントが不安定になり、最悪の場合はインプラントが抜け落ちることもあります。
インプラント周囲炎を引き起こす原因はいくつかありますが、特に注意が必要なものがいくつか存在します。インプラントは自然歯と異なり、より正確なケアが必要です。しかし、ケアを怠ってしまうと、細菌が蓄積されやすい環境を作り出してしまいます。こうした要因が重なると、インプラント周囲の組織に炎症が生じ、周囲炎のリスクが高まります。以下で、具体的な主な原因についてご紹介します。
FACTOR 01
インプラント周囲炎の主な原因として最も多いのが歯石の蓄積です。歯石はプラークが硬化したもので、ブラッシングでは除去できないためインプラント周囲の歯肉にプラーク(歯垢)がたまり、そこに細菌が繁殖することで炎症が引き起こされます。
インプラント周囲炎進行の加速
細菌感染や炎症の進行
FACTOR 02
喫煙により血管が収縮し、血流不足により酸素や栄養素が十分に供給されなくなるため治癒力や免疫応答が低下します。これにより喫煙はインプラント周囲炎の進行を助長し、長期維持に悪影響を与えます。
治癒力や免疫応答が低下
長期維持に悪影響を与える
FACTOR 03
既存の歯周病は細菌感染や骨吸収を助長し、炎症やインプラント周囲炎のリスクを高めます。また、歯周病で既に骨が減少している場合インプラントの安定性が低下します。
虫歯や歯周病のリスク削減
インプラントの安定性が低下
インプラント周囲炎は、普通の歯周炎と同じく細菌感染が原因ですが、進行の速さが格段に異なります。通常の歯周炎では、症状が進行して歯が抜けてしまうまでに何十年もかかることが多く、例えば30代で発症しても抜けるのは50代になる場合が一般的です。
しかし、インプラント周囲炎の場合は、数ヶ月で歯が抜けてしまうことも珍しくありません。インプラントは骨と異物(人工歯根)で結合しているため、通常の歯のように炎症を抑えたり細菌の侵入を防ぐ組織がありません。
そのため、インプラントを守るには日々のセルフケアが不可欠です。
Symptoms and stages of progression
インプラント周囲炎とは、インプラントを支える骨や歯肉周りの組織に炎症が生じる状態を指します。これはインプラントの周囲に細菌が繁殖することで引き起こされ、歯肉の腫れや出血、痛み、さらにはインプラントを支える骨が溶けるなどの症状が見られます。放置するとインプラントが不安定になり、最悪の場合はインプラントが脱落することもあります。
進行段階の目安
インプラント周囲炎は痛みがないことが多く、進行が遅れて気づくことが少なくありません。以下のチェック項目を参考にして、早期に異常を察知し、適切な対応をすることが大切です。
歯磨き後に歯茎から血が出ることがありますか?
出血があれば、軽い炎症のサインかもしれません。早めに歯科医に相談を。歯茎が腫れていませんか?
噛んだときに違和感や痛みを感じますか?
噛むのが難しい、または痛いと感じることがありますか?
噛みにくさが出てきたら、進行しているサインです。早期対応が重要です。最近、口臭が強くなった気がしませんか?
家族や周りの人から指摘されたことはありますか?
歯が揺れるような感じがしますか?
歯が揺れ始めたら、末期のサインであり、即時の治療が必要です。これらのチェック項目に当てはまる場合、早期に専門医による診察を受けることをお勧めします。進行してからでは手遅れになることもあるため、定期的な検診と早期対応がインプラントの健康を守るカギとなります。
Treatment
インプラント周囲炎の治療には、現在確立された根本的な治療法がありません。治療の目的は、主に現状維持を目指すことにあります。治療では、歯科医院での定期的な洗浄と、薬の塗布が行われますが、進行を完全に止めることは難しく、進行が広がると回復が困難です。
進行が深刻な場合、歯科医師の判断により外科処置が必要になることもありますが、状況や個人差により処置が異なるため、全てのケースで行われるわけではありません。また、骨が溶けてしまった場合、それを元に戻すことはできず、現状維持が中心となります。
こうした治療の現状から、インプラント周囲炎は、なによりも日々のセルフケアと定期的な専門的ケアで予防することが重要です。
POINT 01
柔らかい毛先の歯ブラシを使用してインプラント周囲を丁寧に磨きましょう。フロスや歯間ブラシで隙間の汚れを取り除き、プラークの蓄積を防ぐことが重要です。
隙間の汚れを取り除く
プラークの蓄積を防ぐ
POINT 02
インプラント周囲の健康状態を専門的に確認し、問題がないか早期発見するためにも定期的にクリニックへ検診に行くことが重要です。目安として、3ヶ月に1回受診することをおすすめします。
インプラント周囲炎の早期発見
クリニックへ定期的に受診
POINT 03
口腔内の菌は唾液の分泌が減少する睡眠中に30倍増殖します。この状態が長時間続くと虫歯や歯周病、インプラント周囲炎のリスクが高まるため、夜は必ず歯磨きを行い寝る前に洗口液を使って細菌の増殖を防ぎましょう。
細菌の増殖を防ぐ
インプラント周囲炎が進行してしまうと、治療が非常に困難で、最悪の場合、インプラントを抜かなければならないこともあります。つまり、インプラント周囲炎のケアは「治療」ではなく、いかにして発症させないかという「予防」を行うことが肝心です。インプラントを長持ちさせるためには、しっかりとした日々のケアが欠かせません。
Specific Care Methods
POINT 01
インプラント周囲のケアには、正確な清掃が欠かせません。ペン型デザインの歯ブラシは手に馴染みやすく、狭い隙間やインプラント周囲の難しい部分にもスムーズにアプローチできます。柔らかな素材を使用していて、デリケートな歯ぐきにも優しく、炎症が気になる部分にも安心して使える商品を選びましょう。
ペンフィットなど細い先端の歯ブラシを選び、インプラントと歯ぐきの境目に軽く当てるようにして磨くことが大切です。特に歯と歯の間や隙間にしっかり届くように、優しい力で小刻みに動かすことで、汚れを効率よく落とせます。
POINT 02
インプラント周囲のケアには、通常のブラッシングだけでは届かない歯間や隙間の清掃が重要です。特殊な繊維構造により、インプラント周囲の細かなプラークをしっかりと取り除くことができます。また、柔らかな素材で歯ぐきを傷つけにくいため、炎症が気になる方にも安心してお使いいただけます。
フロアフロスセイビングなどスレッドと呼ばれる糸通し部分がついている商品は、隙間に通しやすく使い勝手が良いです。歯の側面を沿わせながらノコギリの様に細かく動かすことによって、汚れを効率的に取り除けます。
POINT 03
ジェルタイプの歯磨き粉は、抗菌成分が歯周病菌やインプラント周囲のプラークにしっかり作用します。ジェルタイプなので、停滞性が高く、患部に長時間留まってくれるため、炎症を防ぎ、インプラントを健康に保つにはとても効果的です。
ジェルの停滞性と高い殺菌効果を利用して、タフトブラシの先につけて磨くと隙間まで浸透するので、より殺菌効果が得られます。
POINT 04
殺菌効果の高いマウスウォッシュは歯周病の細菌に特に効果的です。アルコールフリーで低刺激のタイプは使いやすいのがポイントです。夜寝る前に使って朝まで口腔内を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑制しておきましょう。
口臭予防にも効果的なので、お出かけの際などに持ち運んでおくのもおすすめです!
POINT 05
ピック型のデザインとロングソフトブラシが組み合わさったタフトブラシを使用すると、歯間やインプラント周囲の清掃をより効果的に行えます。長めの柔らかいブラシが歯と歯ぐきの境目やインプラント周囲の隙間に優しく届き、汚れをしっかりと絡め取ります。歯ぐきを傷つけにくい設計のため、炎症が気になる方にも安心してお使いいただけます。
ロングソフトのブラシなので歯ぐきに優しい素材でありながら、インプラント周囲の細かい隙間や歯間の奥までしっかりと届くので、繊細なケアが必要な方にもおすすめです。
湘南デンタルケアークリニック監修
Peri-implantitis care set
インプラント治療を受けられた方や歯周病リスクが気になる方のために、歯科クリニックが監修したケアセットです。日々のセルフケアをより効果的に行えるアイテムを厳選し、インプラント周囲炎を予防しインプラントの長期維持をサポートします。
セットを詳しく見るPreparation before starting mouthpiece orthodontics
インプラント周囲炎を予防するためには、正確なセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアが不可欠です。日々のケアには専用アイテムを活用し、3ヶ月に一度の検診でインプラントの状態を確認しましょう。これらの対策を徹底することで、インプラントの健康を守り、長期的な維持が可能になります。